2014年5月2日金曜日

PRO-VISIONという高等学校の英語教科書は教科書ガイドを出さないことで、採用校を増やす戦略を採っている。

PRO-VISIONという高等学校の英語教科書がある。桐原書店が発行している。

PRO-VISIONの特徴のひとつは、教科書ガイドを発行していないということである。

教科書ガイドには、新らしく登場した単語や熟語の意味が掲載されていたり、難解な表現に註釈がついていたりするので、予習の手間が大いに省ける。

しかしながら、ところどころで、肝心(かんじん)な部分で解説がないことがある。

これは、すべてを解説すると生徒が授業を聞かなくなるので、部分的に、教師の授業を聴かないかぎりわからない部分を残すという戦略である。

さて、PRO-VISIONという教科書には教科書ガイドがない。

教師のなかには、辞書を丹念(たんねん)に引き、参考書を調べなければならないという信念を抱いている者がいる。

もちろん、大学進学の実績の高い高等学校の生徒は、かなりの高確率で、辞書を引き、参考書を調べるものであるが、大学進学の実績がそれほど芳(かんば)しくない高等学校では、生徒は辞書を引かないし、参考書で文法事項を調べることはしない。

真面目な生徒でも、ノートに書き写した英文に、教科書ガイドに書いてあることを書き写すだけだったりするくらいである。

そういう態度を不愉快に思う英語教師の多い高等学校では、教科書ガイドがないPRO-VISIONを選ぶ場合がある。

ということは、底辺校ほどではないにしても、PRO-VISIONを採用している高等学校の大学進学実績は、「すこぶるよい」というわけではないということになる。

ところで、私の出身高等学校である和歌山県立橋本高等学校では、ある年度から、教科書ガイドのない英語の教科書に切り換えた。

私が在籍していたときには、東京書籍のNew Horizonを使っていた。New Horizonには、中学生用の教科書と高校生用の教科書との両方があり、教科書ガイドもあった。

橋本高等学校が、教科書ガイドのない英語教科書採用に踏(ふ)み切った理由は、その前年度の3月に卒業した連中が、教科書ガイドを引き写すだけの者が大多数だったからだという。怠(なま)け者が多数派であったのだ。

その駄目(だめ)な卒業生というのは、私の学年のことだった。

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早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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