2013年11月28日木曜日

ミッドシップ形式の車輌(しゃりょう)の運転特性:アクセル操作でステアリング特性が変化する。

ミッドシップ形式rear mid-engine, rear-wheel-drive layoutの車輌(しゃりょう)とは、エンジンが運転席と後輪の間にあって、後輪駆動の自動車である。F1カーやフェラーリなどが、そうである。

ステアリング特性には、大別して、3つある。アンダーステアundersteer・ニュートラルステアneutralsteer・オーバーステアoversteerの3つである。

アンダーステアは、前輪が後輪と較(くら)べて外側に滑(すべ)り、運転手の意図よりも外側に膨(ふく)らむステアリング特性である。

オーバーステアは、前輪が後輪と較(くら)べて内側に切れ込みむ。

ニュートラルステアはこの2つの中間である。

さて、ミッドシップ形式の車輌(しゃりょう)の場合、これが一筋縄(ひとすじなわ)にはいかない。

アクセル操作でステアリング特性がオーバーステアに変化するのである。激変するといってよい。

コーナーではステアリングをそのままで、アクセルを踏み込めば、オーバーステアに変化する。

F1レーサーなどがスピン=ターンをする際、ステアリングは少ししか切らずに、アクセルをうんと踏み込んでいる。超オーバーステアになるのだ。

ミッドシップ形式の車輌では、それほどステアリングを切らずに、アクセル=ワークによってステアリング特性を変化させて、コーナーを曲がるのである。だから、あまりハンドルを動かさずに、曲がり方を変えられるし、そこがおもしろくて、楽しい。

このことを知らないモーター=ジャーナリストが、一般の人が購入する市販車だから、この自動車は弱アンダーステアの味つけになっていると記事に書いているのを読んだときには、びっくりした。本当にモーター=ジャーナリストなのかと思ったのだ。

弱アンダーステアでも、ハンドルの操舵角(そうだかく)とアクセルの踏み加減によって、スピンや事故が頻発(ひんぱつ)しているのだ。

ちなみに、私が本田技研工業のビートBeatというミッドシップ形式のオープン=カーを買ったときに、販売店の人に、雪の日にはどうすればいいのかと訊(たず)ねたら、乗るのはすっぱりと諦(あきら)めてくださいと言われた。

また、コーナーの出口や、車線変更した際に、フェラーリなどが大事故を起こすのは、ハンドルを切りながら、アクセルを踏み込んだことによって、超オーバーステアになったからである場合が多いようだ。

ミッドシップ=カーの事故は、FR車(エンジンを前に置き、後輪が駆動するもの)の運転の仕方をしていることに起因(きいん)しているようだ。

こうしたことも、自動車教習所で教えればいいのにと思うのだが……。

それにしても、さらに挙動がシビアなRR車(エンジン後ろ置きの後輪駆動車)で、アイスバーン[=路面凍結、ドイツ語:Eisbahn]まであるモンテ=カルロ=ラリーで優勝したアルピーヌ=ルノーA110 Alpine Renault A110のドライバーは、魂消(たまげ)るほど凄(すご)い。

↓前輪に着目すればわかるが、ステアリングをそれほど切っていないのに、スピン=ターンができているよ。



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早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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