2013年11月19日火曜日

カフェオレ=ボウルを知らないときに悩んだフランス語の文

大学1年生の夏休みに、アルベール=カミュArbert Camusの『異邦人』L'Étrangerを読んだ。

..., il a empilé des tasses autour d'une cafetière.
直訳:彼はカフェティエール[=コーヒー=ポット]の周囲にカップを積み重ねた。

カップというと、英国のティー=カップのように把手(とって)のついたものしかイメージになかった。若いころの自分はカフェオレ=ボウルなんて知らなかった。だから、把手(とって)のついたカップを積み重ねているにちがいないと思い込んでいるから、わけがわからなかった。一体全体、そんなことができるだろうかと不思議に思った。

そんなとき、明治通りを歩いていたら、雑貨屋にカフェオレ=ボールがあった。もちろん、カフェオレ=ボウルとはわからなかったので、お店の人に、それは何に使うものなのかを訊(たず)ねた。

それで、やっとこさ、「カップを積み重ねる」ということがどういうことなのかがわかった。

「生活の様式」がわからなければ、辞書や参考書を読んでもわからないことがある事例だ。

なお、把手(とって)のないボウルでフランス人がカフェオレを飲むのは、手で持てるくらいの温度のカフェオレがおいしいからだと説明する場合があるが、それはちがっている。日本人と較(くら)べると、フランス人は基本的には異常なまでに猫舌(ねこじた)だからである。

L'Étranger par Albert Camus
フランス語の原文で読めるよ。

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和歌山県, Japan
早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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