2010年12月15日水曜日

あなたが着ている毛皮のコートの前の所有者は、それを身につけたまま死んだのよ。

 あなたが着ている毛皮コートの前の所有者は、それを身につけたまま死んだのよ。

 これは、ずいぶんと以前に、反=毛皮運動のスローガンのひとつとして使われたものだ。
 たとえば、本物の豹(ひょう)の毛皮のコートであるなら、その豹が殺されてから、毛皮を剝(は)がれたということを、こんなふうに表現したわけだ。
 ドキッとする表現だろう。

 最近は毛皮のコートを羽織(はお)る人は減っている。ダウン=ジャケットやフリース=ジャケットなど、軽くて暖かいものがあるからだ。

 ところで、ダウン=ジャケットで使われるダウンにも、品質差がある。中国産のダウンの場合、もともとは食用として飼育されている鴨のダウンが使用されている。本来が食用なので、若鳥の段階で、屠殺(とさつ)され、ダウンを採取され、食用として供される。成長した鴨のダウンと較べると保温性などの点で劣る部分がなくもない。ジーンズ=メイトなどのダウン=ジャケットには、この手のダウンが使用されているという。保温性などの点での品質は劣る。ダウンを提供した鴨たちは、北京ダックなどに調理される。

 そうすると、中国産のダウンを使ったダウン=ジャケットを着ている人に対して、こんなことが言えるのではないだろうか?

 あなたが着ているダウン=ジャケットに入っているダウンを、あなたの前に纏(まと)っていたやつは、たぶん、北京ダックになっているんだよな。

 よく考えると悲しいことであるはずなのだが、なぜか、笑ってしまう。

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自己紹介

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和歌山県, Japan
早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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