友人宅に招かれて、食事をふるまってもらった。友人である夫がほとんどすべてのイタリア料理をこしらえた。
彼の家庭では、寝起きのよくない奥さんに代わって、朝食は彼が作る。晩御飯は、遅く帰ってきてから、彼が自分の分を作って、食べる。奥さんは、自分の食事しか、ほとんど作らないそうだ。
その日、奥さんが唯一、作ったものは、ドレッシングだけだった。そのドレッシングは、けっこう、おしかった。たぶん、ワインヴィネガーがよかったんだと思う。
「このドレッシングはおいしいね」と言ってから、ちょっと笑わせようと思って、「なんだか、短歌を詠(よ)みたくなってきた」と期待させてから、こう詠んだ。
この味が いいねと君は 言ったけど
五月三日は 憲法記念日
すごく不機嫌になられた。おもしろいと思ったんだけどな。
ちなみに、上記の短歌は、作家の清水義範が『騙(だま)し絵 日本国憲法』の掲載していたものをそのままつかったもの。もちろん、オリジナルの短歌は、俵万智の「『この味がいいね』と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」である。
俵万智の短歌は、当初、カレー味のから揚げだった。
また、短歌集『サラダ記念日』が話題になった直後の早稲田大学文学部学生食堂では「サラダ記念日サラダ」というものを販売したが、普通の女子学生には食べきれないほどの半端(はんぱ)ない量で、「サラダ記念日サラダ」を註文したのは、いかつい体育会系の男子学生だけだったそうだ。
ちっちゃくて、おしゃれなサラダにしておけばよかったのに。
ちっちゃくて、おしゃれなサラダにしておけばよかったのに。
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