2009年5月29日金曜日

九九の苦手な人が言えないのは「七の段」よりも、むしろ「八の段」である。

 漫画やドラマで、勉強の苦手な人間を描き出すにあたって、「こいつは、九九の『七の段』が言えない」という台詞(せりふ)がある。
 また、九九の苦手な人は、どの段が苦手だと思うかと訊ねると、たいていの人は、「七の段」と答える。
 ところが、素数(1とそれ自身でしか割り切れない整数)である7が絡(から)んでくる「七の段」は手ごわいと、だれしも感じるので、七の段は、真面目に憶えようとする。意外と、算数・数学が苦手であっても、七の段は言えるものなのである。
 意外と、言えない人がいるのが、「八の段」である。
 驚くかもしれないが、本当なのである。
 八の段が言えない人というのは、小学2年生のときに、九九のテストが済んでからは、ずっと、数字を入れ替えて、計算しているのである。
 たとえば、

8×6(はちろく)

の場合に、答えが、とっさに口をついて出てこない場合には、

6×8=48(ろくは、しじゅうはち)

と、数字を入れ替えている。
 こうしたことをずっと繰り返しているうちに、「八の段」がちゃんと言えない人間になってしまう。高校生でも、数学が苦手(というか、計算が苦手)な人は、百ます計算で、「八の段」でペンが一瞬、止まったりする。
 一般的には、計算しているうちに、頭の中で九九を唱えることは、最終的にはなくなる(と思う)んだけど、八の段がつまづいている人は、いつまで経っても、頭の中で九九を唱えているようだ。それも、八の段では数字を入れ替えて。

  

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和歌山県, Japan
早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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