2008年12月19日金曜日

早稲田大学・慶應義塾大学の入試問題の出題者は当該学部本属の教員

 大学受験における出題者について、ちょっとしたためる。

 教員から直接聞いたものやそのほかの伝聞情報によれば、早稲田大学と慶應義塾大学の場合、出題者はその学部本属の教員(教授・准教授・専任講師)に限られる。このことから出題者が予想できてしまう場合がある。

 たとえば、早稲田大学文学部の古文の場合について考えてみよう。万が一にでも出題ミスは避けたいので、自分の専門分野以外からは出題しない。もちろん、専門分野以外から出題しようと思えば、『小学館新編古典文学全集』などを参照しながら、作問することは可能であろう。しかし、最新の学説・解釈などを知らずに出題して、万が一にでも出題ミスをするは怖いので、出題はしないものである。早稲田大学文学部の場合、古文の出題ができる教員は7人くらいしかいないので、たとえば、過去5年分の問題を調べて、この問題の出題者はだれそれであろうと同定できるものを除けば、来年度の出題者となる可能性のあるのは、3人くらいに絞り込める。そうなれば、その教員の専門分野や講義内容を調べて、出題されるとすれば、このあたりというのを見当をつけることができる。ただし、現在の研究分野とはまったく異なる分野から出題してくる場合があるのだが、この場合も、やはり、出題者が充分に勉強・研究していない分野からは出題されないので、当該の教員が大学院生のときの修士論文や大学院生時代の受講した講義内容を調べておけば、より精度が高くなるのだが、これは、個人ではなかなかうまくゆかない。
 以上のようなことをして、どんぴしゃりと出題が当たったとしても、入学後にほぼ確実にオチこぼれるだろうから、まあ、地道にきちんと勉強するということだな(←えらそうなことを書いておいて、オチがそれかよと怒った人がいそうな気がする)。

 出題予想といえば、こういうのがある。『源氏物語』が専門という研究者は、大きな大学ならば、たいていの大学にいる。大学のレベルが低いと『源氏物語』は出題できず、歌物語などを出題するしかない。受験生のレベルが低すぎると、問題として意味をなさないからだ。早稲田くらいになると、源氏物語は、箇所によっては、出題してもかまわない。過去数年(だいたい5年くらい)、『源氏物語』が出題されていなければ、「もう、そろそろ出題されてもおかしくない」と言っておくと、2、3年のうちに出題されることが多い。私からすると、これは「出題を当てた」ことにならないと思うのだが、当てたと言い張っている予備校があったなあ。

 それはともかく、早稲田大学と慶應義塾大学に関しては、その学部本属の教員が入試問題を作成するので、いろいろと調べておくと、得することがあるよ。

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和歌山県, Japan
早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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